当院では、「患者さまのお話をよくお聞きする」ということを大切にしています。例えば、「頭が痛い」ということであっても、他の部位の状態や生活状況などのお話をよくお聞きすることで、思わぬ病気の診断ができることもあります。検査で異常がなくても、お話をお聞きすることで大切な情報を得て、病気が判明することもあります。このように、問診時の会話から治療は始まっています。

患者さまの心身の状態や生活状況をできる限り把握した上で、その方に合った治療の進め方をするように心がけています。例えば、投薬治療に関しても、丁寧なコミュニケーションを取り、その薬がその方にマッチしているか、効果が発揮できているかを観察しながら治療を進めます。医療者側の押し付けではない、患者さま本位のオーダーメイドの治療をおこないます。

頭痛やめまいなどは、脳卒中などの重篤な病気が隠れていることがあります。患者さまは不安を抱えてのご来院となりますので、頭の中に異常がないことをできるだけ早く確認できるように、当院では、随時、MRI検査ができる体制を整えています。お電話でご予約いただければ、当日（空きがある場合）の検査も可能です。

MRI検査および脳神経外科専門医による診断の結果、高度な医療が必要と判断される場合には、隣接する大学病院や総合病院へ速やかにご紹介することで、円滑に治療を進めます。

平成31年4月、本郷脳神経外科の院長に就任いたしました、廣畑倫生（ひろはたとしお）と申します。
これまで脳神経外科医として、救命救急医療、高度先進医療、難病診療など、臨床と研究の現場で医療に携わってきました。その経験から、ご病気の多くは早期の発見と速やかな治療、そして一貫性のある対処が重要であると考えております。特に脳卒中や認知症の予防には、早くから生活習慣の改善や生活習慣病の治療に取り組むことが勧められます。
脳神経外科が扱う診療範囲は幅広く、脳血管障害（脳卒中）や脳腫瘍、頭部外傷、認知症、てんかんなどを代表として多岐にわたります。それらの疾患から起こる症状は、頭痛、めまい、脱力、しびれ・痛み、ふるえ、物忘れ、言葉の障害、視力の低下など様々です。一方、こういった症状の原因は脳のみに限らず、整形外科、耳鼻咽喉科、眼科、内科などの疾病が背景にあることも珍しくありません。脳神経外科と聞くと敷居が高く感じられるかもしれませんが、むしろ「この症状はどこから来ているのだろう？」「そもそも何科にかかれば良いのだろう？」と迷ったときにこそ、ご相談してください。当院では本郷整形外科グループの一員として総合的な診療をおこなっていきます。
もし入院や手術が必要なご病気が見つかった場合には、近隣の病院へご紹介いたします。また、埼玉医科大学総合医療センター、自治医科大学さいたま医療センター、帝京大学医学部附属病院などとも連携しており、専門医療が必要な場合には適切な診療科へご紹介いたします。
日頃のかかりつけ医として、また脳神経外科の専門医として、地域の方々の安心と健康増進に力を尽くし、新しい令和の時代を皆様とともに歩んでまいりたいと思います。